TCK WAY Vol.7高原キャベツの箱は技術力の証

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TCK WAY Vol.7高原キャベツの箱は技術力の証

東京コンテナ工業株式会社では、1973年頃から嬬恋高原キャベツの段ボール箱をつくっています。

群馬県の西北部に位置する嬬恋村は、標高800~1,400メートルの高原地帯。高原キャベツ日本一の生産地です。昼夜の温度差と高原特有の朝露、さらに栽培に適した土壌によって、やわらかく甘みのある、おいしいキャベツが育つといいます。
生産者農家は早朝から、畑でキャベツを1玉ずつ刈り取り、その場で出荷用の段ボールに箱詰めしていきます。朝露で段ボール箱はびしょびしょになるほど。雨が降っても収穫は行われ、主に夏から秋にかけて毎日出荷が続きます。

このような過酷な条件で使用される段ボール箱には強度が求められます。当初は段ボール原紙の選定に苦心したといいます。耐水ライナーはまもなく調達の目星がつきましたが、耐水中しんは、品質基準を満たす製品がなかなか見つからず、必死に探して仕入れにこぎつけました。

ようやくキャベツの箱の製造が軌道に乗り始めたと思われた矢先、ある農家からクレームが入りました。当時の茨城工場長は、つくった段ボール箱をあえて雨ざらしにしたらどうなるか、などさまざまな製品評価を行い、得られたデータをもとに改良を重ね、お客様の要望に応えていきました。

収穫最盛期の8、9月には、市場調査を行いました。当時の物流出荷係は、いちばん取引の多い農家に1泊させていただいて早朝3時に起床、農家の方とともに畑でキャベツを収穫し、箱詰めしました。その後16時頃トラックに同乗して出発、一路関西をめざします。大阪の市場に到着したのは翌朝3時。市場で「どの箱がいい?」と質問したら、荷受けの人は、浅間山の絵のついた弊社の箱を指さして、「これ、丈夫なんだよ」と答えてくれました。その後再び同じトラックに乗り込んで着いた神戸の市場でも、尋ねた荷受けの人の答えは同じだったそうです。市場で働く人々の自社製品に対する評価は、疲れが吹き飛ぶくらいにうれしかったといいます。

キャベツ箱には今、鹿沢高原の絵がついています。時代は移り変わっても、TCKのたゆまぬ努力とより良い製品づくりにかける情熱は脈々と受け継がれています。
(終)

2021年現在のキャベツの箱2021年現在のキャベツの箱
2004年当時の製作伝票2004年当時の製作伝票

 

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