東京コンテナ工業株式会社

TCK WAY  Vol.1パネロック 開発秘話

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Vol.1パネロック 開発秘話

写真1 パネロック

写真1 パネロック

“パネロック”といわれても ほとんどの人は「ピン!」とこないと思います。
しかし、蓋のフラップに入れた切れ目に別のフラップを滑り込ませて留める、ガムテープが要らない段ボール箱と言えば、誰もが目にしたことのある箱と解るでしょう。(写真1参照)今ではポピュラーな形状のこの箱を昭和40年代に開発し、実用新案権を保有していた企業が東京コンテナ工業であったと知る人は、残念ながら当社社員の中でも一握りの古い社員くらいかもしれません。
当時は知的財産権への意識が低く、当社が全くと言って良いほど権利を主張しなかったこともあり、多くの家電メーカーが白物家電を“包む”この新しい形状の段ボールをこぞって採用し、瞬く間に日本中に広がりました。東京コンテナ工業66年の歴史に残る、数々の逸話をシリーズでご紹介する【 TCK WAY 】の第一話として、今回は当社を代表する“パネロック”の開発秘話をご紹介したいと思います。

 

昭和40年代当時、顧客の某家電会社様より営業担当者が一つの依頼をうけました。それは、家電販売の流通過程で生じる再梱包の問題を解決してほしい!というものでした。当時、家電製品は、販売店で綺麗に包装されている箱を一旦開封し、中の保証書を取り出して日時と判を印して再梱包するという作業を経てお客様の手に渡っていました。その作業により、残念ながらパッケージの見栄えが損なわれ、折角新品を買ったのにまるで中古品を買ったように見えることを受けての依頼でした。
営業担当者は、設計開発責任者に相談するも、その時はすぐに良いアイディアが浮かぶことはありませんでした。継続開発案件となった本件を、開発者は昼夜を問わず考え続け、常にアイディアを求めて思索していると、ついにある夜の夢枕にパネロックの構想が浮かびました。はっと起き上がり、夢中で日ごろから枕元においているアイディア帳と鉛筆を取り上げ、記憶が薄れないうちに夢の中で見た箱を書きとめました。翌朝、起き上がるとすぐにアイディア帳を確認したことは言うまでもありません。彼はその一瞬、アイディア帳に書き留めたこと自体が夢であったかもしれない、と思ったそうです。
無事に書き留められたアイディアを素に、早速試作品が作られ、実用新案申請された“パネロック”は家電メーカーをはじめとする多くの企業に採用され、最もポピュラーな形状の箱になりました。今では当たり前に目にする箱を開発した当社は、以後「設計の東コン」といわれるようになりました。
(終)

>>Vol.2 Meister ~TCKの匠達~


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