ベトナムインターン生活紀行Vol.5

ベトナムにはカフェがたくさんあります。
日本でもおなじみのスターバックスのような外資によるチェーン店から、チュングエンコーヒーのようなベトナム国内のチェーン店、個人経営のローカルなコーヒー店まで、大小様々な喫茶店が市内に数多く存在しています。

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外資のチェーン店では他国での価格と大差なく、ベトナム人では富裕層しか利用していないようです。
ローカルの安い店では10,000ドン(約60円)程度から買えるものもありますが、それでもベトナム人にとっては、コーヒーはちょっと高級品というイメージのようです。
しかし、喫茶店でコーヒーを飲みながら話をしているベトナム人の多さを見ると、ベトナム人の生活の中にコーヒーが浸透して、親しまれているのがよくわかります。

ベトナムコーヒーの起源は、フランスの植民地時代にあり、コーヒーの生産が可能な高地があることに目を付けたフランス人が、19世紀にベトナムへコーヒーを持ち込んだのが最初だったようです。
それゆえ、いわゆる「ベトナムコーヒー」を入れる際には、フランス式のアルミもしくはステンレス製のフィルターを用います。

Vol.V005_02これで入れたコーヒーは、入れられる湯量が少ないこと、挽いた粉がフィルターの穴を
塞いでしまい滴下速度が遅くなることにより非常に濃く抽出されます。
また、使用されるコーヒーの多くが、苦みと渋みの強いロブスタ種を用いていること、
欧風に深煎りをしていることにより、単独では飲みにくいほどに苦くて渋い、濃いコーヒーとなります。
これを飲みやすくするために練乳を入れるという工夫をすることで、
独特の味を持つ「ベトナムコーヒー」が生まれたようです。

日本で主流に飲まれているブレンドコーヒーやアメリカンコーヒーとは全く違う味になるので、
好みも別れるかとは思いますが、個人的にはこの濃い味がとても気に入っています。
世間一般的には、ベトナムで多く生産されているロブスタ種よりも、
アラビカ種という種類のコーヒーの方が美味しく、高級品であるとされています。
ロブスタ種のみを飲むのは生産している現地の人ぐらいだということも言われているようですが、
その苦さや渋さを活かし、違う味わい方を考えだしたのはベトナムの人の知恵なのでしょう。
飲み始められた当初は「仕方なく」、ということで考え出した飲み方なのでしょうが、
「ベトナムコーヒー」として特徴づけられた特産品となっているのは素晴らしいことだなと感じます。

不利な点や弱点を強みに変えていくという点ではビジネスにも通じるような事例だと思います。
業種や分野は全く違う事例ではありますが、こういった事例から学べることもあるということで、
もっと視野を広く、考えを柔軟にしていかなければと感じます。

文責:小嶋

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